これからの食の豊かさとおいしさをつくる
食べることで、お腹を満たすだけでなく、文化や倫理観や漁師の想いや地域性など、食の背景にある物語に触れる食体験をしてほしいと思っています。
一つの食品の背景には様々な人が関わっていて膨大な物語があります。
地域ごとに特有の食文化があり、世界各地には様々な食文化がある中で、日本にも地域や街、店ごとの多様性があります。そして、ここ三重にも誇るべき豊かな文化の土壌があると思います。しかし、一方で現代社会において大量生産消費の恩恵を受ける中で食体験の均一化や希薄化が社会課題となっています。私自身、生産と消費の分断、フードロスなどに課題意識を持っています。伊勢昆布では、店舗での体験を通して、「食べる」ことから食事の背景にある物語に触れたり、人と文化と自然の関係性を築いたりするような食体験を提供していきます。
そういった想いから、例えば下記の取り組みを行っています。
例えば、茶室を作り、今までにない発想の新商品(ブレンド緑茶)を市場に投入しました。
商品は4種類(全国に20人しかいないといわれる茶師10段の監修で作成)を作りました。抹茶、煎茶、かぶせ茶、棒茶を作って販売を開始。10g1個2000円と高価なこともあり、まだ販売量はこれからの状態ですが、地道にリピーターがついていっています。これは、本物の日本茶原料と最高の技量を使った、本物の日本茶を知ってほしかったからです。
こういった新しい試みを打ち出していっています。
新しい価値を作っていき、美味しさを知らせたい。
過去と現代と未来があり、祖父母がはじめ、父が継ぎ、そのまま受け継いできました。
それを新しい世代に受け継いでいきたい。
次の世代に引き継いでいくために、新しい商品を作って挑戦し続けたい。
未来の新しい人に受け入れられる商品を作り、伝えていきたい。
新しいネーミングや、食べ方を提案し、もっと乾物の良さを知ってもらいたい。
その第一弾が生ふりかけで、次が茶室でした。
昨今では、輸出にも挑戦しています。
また、食の季節感が薄れていっている昨今ですが、
・ワカメを食べれば春が来たな・・
・小女子を食べたら春を感じる・・
今の若い世代は、それを知らないことが多い。
だからこそ、私の代が分岐点で知らせて行きたい。
これからを作る、起点に私がなれればと考えています。
未来に向かっては、義理の息子が挑戦を開始しています。
例えば、パン作りで、生地にちりめんとしそひじきとチーズを合わせたものが合うと試した結果言っていました。
次世代の乾物とのかかわり方に期待しながら、乾物パンをやってみようかと考えています。さらなる挑戦を続け、乾物の新しい価値を作っていきます。